岩本 卓也
Emma Jordan
Updated on September 03, 2026
岩本卓也:建設3Dプリンターで日本のインフラを変える革新者
はじめに
日本の建設業界は今、大きな変革期を迎えています。少子高齢化による労働力不足、老朽化するインフラの維持管理、そして生産性向上への強いニーズ。そんな中、建設用3Dプリンターという全く新しい技術で業界の常識を覆す起業家が注目を集めています。それが、Polyuse(ポリウス)の代表取締役を務める岩本卓也氏です。
本記事では、岩本卓也氏の経歴やビジョン、そして彼が率いるPolyuseの革新的な取り組みについて詳しく解説します。
岩本卓也のプロフィールと経歴
岩本卓也氏は1993年、大阪府に生まれました。幼少期からものづくりに興味を持ち、信州大学理学部で基礎的な科学を学んだ後、一橋大学大学院で経営学修士(MBA)を取得。さらに東京工業大学のグローバルリーダー教育院でも学び、技術と経営の両面から社会課題を解決する力を培いました。
この異色の学歴は、単なる研究者や技術者ではなく、ビジネス感覚とリーダーシップを兼ね備えた「課題解決型起業家」としての基盤を形成しています。
Polyuse創業の背景とビジョン
2019年、岩本氏は建設用3Dプリンターを開発するスタートアップ「Polyuse」を共同創業し、代表取締役に就任しました。同社は国内唯一の建設用3Dプリンターメーカーとして、日本のインフラ課題に真正面から挑んでいます。
Polyuseが掲げるミッションは、建設業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、持続可能な社会インフラを実現すること。特に注力しているのが、公共インフラの老朽化対策です。
革新的な技術:建設用3Dプリンター
岩本氏が開発した建設用3Dプリンターは、従来の建設方法と比較して以下のような優位性を持っています。
1. 圧倒的な工期短縮
従来の型枠工法と比べ、3Dプリント技術により施工時間を大幅に短縮。特に複雑な形状の構造物でも、設計データから直接造形できるため、作業効率が飛躍的に向上します。
2. 省人化の実現
少人数での施工が可能で、熟練技能者不足という建設業界の深刻な課題に対する有効なソリューションとなっています。
3. 高精度な施工
デジタルデータに基づく精密な造形により、品質のばらつきを抑え、均一で高品質な構造物を実現します。
実績:橋脚フーチングの3Dプリント施工
Polyuseの最も注目すべき実績の一つが、橋脚の土台(フーチング)を3Dプリントで施工したことです。これは国内の公共工事で初めての試みであり、実際の現場でその有効性が実証されました。
このプロジェクトでは、従来の工法と比較して以下の成果を達成しています。
- 施工期間の大幅短縮
- 必要な作業員数の削減
- コスト削減と品質向上の両立
現在、この技術は多くの公共工事で実用化が進められており、2025年からは全国展開を本格化させる計画です。
岩本卓也の価値観:「三現主義」
岩本氏が経営の根幹に据えているのが「三現主義(Real-Real-Real)」です。これは「現場」「現物」「現実」を重視する考え方で、実際の建設現場での体験とデータに基づいて技術開発やサービス改善を行う姿勢を表しています。
机上の理論だけでなく、現場の声や実際の施工データを徹底的に分析し、そこから得られた知見を製品開発に反映させる。このアプローチこそが、Polyuseの技術が現場で確実に受け入れられている理由の一つと言えるでしょう。
業界での評価と今後の展望
岩本氏の革新的な取り組みは、業界内外から高く評価されています。特に「Innovators Under 35 Japan(IU35)」に選出されたことは、その革新性と将来性を証明するものです。
また、建設DX研究所のメンバーとして、業界の標準化や規制対応にも積極的に関与。単なる技術開発だけでなく、業界全体のルール作りや普及促進にも貢献しています。
今後の展望として、岩本氏は以下のビジョンを掲げています。
- 建設用3Dプリンターのさらなる大型化と多機能化
- 災害復旧現場での迅速なインフラ復旧への応用
- 海外市場への展開による日本の技術力の発信
まとめ
岩本卓也氏は、建設業界が直面する深刻な課題に対して、建設用3Dプリンターという革新的な技術で答えを出そうとしている起業家です。その背景には、技術者としての深い知識と経営者としての戦略的思考、そして何より「現場を変えたい」という強い情熱があります。
少子高齢化が進む日本において、建設業界の生産性向上は待ったなしの課題です。岩本氏とPolyuseの挑戦は、日本のインフラの未来を大きく変える可能性を秘めています。今後の動向から目が離せません。
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